1980年、東京キューバンボーイズ・ラストコンサート初日の出来事。
場所は、新宿厚生年金会館。
大入り満員、ましてやラストコンサートで皆気合が入っていた。

第1部は大きなミスもなく無事終了。

−第2部−

第2部も後半になり、メンバーもお客さんも最高に盛り上がっていた。

曲は「ポンテ・ドゥーロ・ボンゴ」
トランペットのT氏が踊りながらのソロ!
(後に聞いたところ、彼としてはそれまでのミュージシャン人生の中で、1度か2度
あるかないかの最高のソロだったらしい・・・)

と!その時!ベースのエヘラのリズムがひっくり返ってしまったのだ!!
それにもめげず、T氏は最後まで吹きぬいた。

・・・T氏のソロが終わり、ヒナ壇に戻るとき無言でエヘラに睨みをきかす・・・

その後は目立ったミスはなく、初日は終了。

−後日−

ラストコンサートを収めたライブレコードが出来上がった。
メンバー1人1人に、記念の見砂直照氏のサインを書いてもらい、手渡された。
その2枚組みのレコードは、全曲収録・・・のハズだった。

(T氏)    「ぅわぁっ! ポンテ・ドゥーロ・ボンゴがない!!」
        「オレの最高のアドリブが入ってない!!(怒)」

(見砂氏)  「私、知りません。」

(T氏)    「誰のせいでこうなったんだ!(かなり怒)」

と、エヘラを指差確認。

(エヘラ)   「・・・・・」  その場を静かに立ち去る・・・

以後、T氏のアドリブは幻となってしまった。

※現在もT氏と飲むと、この話題が出る。どれだけくやしかったかを語ってくれる。
しかし、いつでもエヘラはしらんぷり・・・