あれはまだ、エヘラが”今よりも”若かった頃のお話・・・

バンド仲間のT氏がスキー場へ某演歌歌手の伴奏で仕事へ行った。
「暇だったらお前も来いよ!」とエヘラは誘われ、本当に暇だったエヘラはスキー片手にやって来た。
少しスキーで滑った後、その演歌歌手のコンサートが始まり出した。
お客としてステージを見ることがめったにないエヘラはなんだかドキドキ。
ステージも後半になったとき、その歌手恒例の「お客さんと一緒に歌いましょう!」コーナーが始まった。
(注:このコーナーは、お客さん1人をステージに上げて一緒にデュエットしましょーというコーナーです)
お客さんはドキドキしながら「俺かな?誰かな?」とソワソワし始めた時、その歌手の口から出た言葉が!
「今日はバンドの仲間が見に来てくれてます!紹介しましょう〜!エヘラさんでぇ〜〜す!!」
他人の事だと思ったエヘラはしばしの間を置いて、ビックリ仰天!

で、ステージに上がらせられるエヘラ・・・
ほとんど”待ってました!”と言わんばかりの笑みを作りステージに上がった。
・・・ふと見渡せば、ミュージシャンは全員知った顔・・・
「こっこれはヤバイ・・・格好つけなくちゃ、後で何を言われるか分からない・・・」
なのに、なのにミュージシャン全員が他人のフリで誰も目を会わせてくれない。
しかし、エヘラはなんとか格好つけようと必死だった。

(歌手)   「エヘラっておもしろい名前ねぇ。どういう字書くの?」
(エヘラ)  「江戸の”江”に原っぱの”原”ですっっ!」と、とっさに出た答え・・・・
(歌手)   「それじゃ”エハラ”じゃない?」
(エヘラ)  「そっそうとも読みますねぇ〜(汗)」

その後、何も出来なかったエヘラは、何を考えたのか窮余の一策で、唇を突き出した・・・(チュー?)
歌手は当然!逃げる!!予定の違うのに彼女もうろたえた。
ベースを持たないエヘラはただの内気な客になってしまい、あがりきって右も左も分からなくなっていた。
・・・その間、ミュージシャン達は他国の人を見る目・・・
その後、やっと本題の一緒に歌いましょう!で、その方とデュエットをしたが、
キンチョーのあまり、何を歌ったか全く覚えてない!
歌い終わった後も、真っ赤っ赤&ボロボロになって客席ではなく、自分の部屋に帰るのであった。

【T氏からのコメント】
エヘラと付き合って何十年となるけど、まさかエヘラの伴奏をするとは思わなかったよ!
しかし、エヘラがステージに上がってきた時は、オレが「穴があったら入りたい!」だった・・・